大家族の親をやっていると、本当によく聞かれることがあります。
「男の子が欲しかったから、また作ることにしたんですか?」
という質問です。
単純な疑問としての場合もあれば、計画性がないだけなのかを確認しようとしている場合など、その意図は人それぞれのようです。
うちは女の子ばかりの大家族なので、それが偶然なのか、それとも何か理由があるのか、長年気になっていました。
夫は夫で、「お前電波浴び過ぎたんじゃない?」や「あぁ…ヘタなんだな…」といったことを言われて来たそうです。
他にも、「父親の男性ホルモン値が高いと、女の子が生まれやすいという研究論文がある。君はまさにそれだ」といったことを外国の方から言われたこともあると言っていました。
という訳で今回は、この謎について研究論文で調べてみました。
結論から言うと、大家族で性別が偏って見えるのは、あながち気のせいではありませんでした。
今回調べてみた経緯
「男の子が欲しかったんですか?」
この質問には、いつも少しだけ考えてから答えます。
なぜなら、「半分YESで、半分NO」だからです。
実は夫は、一人目の頃から男の子を希望していました。
「成人した息子といつか酒を酌み交わしたい」
というのが夢の1つだったそうです。
夫は10代の時に父(私の義父)を亡くしていて、自分が父とできなかったことを叶えたかったんだとか。
一方の私はというと、正直、性別にはほとんど興味がありませんでした。
男の子でも、女の子でも、元気に生まれてきてくれれば、それで十分です。
ところが、二人目を出産した頃からでしょうか。
「私から男の子が生まれる気がしない」という感覚に気付きました。
もちろん、何の根拠もありません。
占いでも、予知能力でもない。でも、本当にそんな気がしたんです。
だから夫には、
「私から男の子は出てこんと思うよ。知らんけど」
と言っていましたが、夫は毎回期待満々でした。(笑)
「んー、付いてませんねぇ」と産婦人科で医師に言われる度、
「・・・でしょうね!(笑)」と言いつつ、夫はまだ諦めていませんでした。
でも、四人目くらいになると、さすがに心境の変化があったようです。
今から男の子が生まれても、服もオモチャも全部買い直しだということに気付いたようです。
あれだけ「次こそは!」と言っていた人が、ついに現実を見るようになった瞬間でした。
我が家だけを見れば、「たまたま女の子が続いたんだね」で終わる話です。
ところが、なぜか周りにも、男の子四兄弟や女の子四姉妹という家が多いのです。
特に、子どもが三人、四人、五人と増えるにつれて、同性ばかりになる傾向が強い気がしました。
一般的に、男の子が生まれる確率と女の子が生まれる確率は半々くらいだと言います。
だから感覚的には、子どもが増えれば増えるほど、男の子も女の子も混ざっていきそうなものです。
例えば四人兄弟なら「女・男・女・男」みたいな感じに。
でも現実には、「男の子×4」「女の子×3」という構成をかなりよく見かけます。
ちなみに、私の夫は5人兄弟ですが、その中で女性は1人だけです。
もちろん、たまたまと言われれば、それまでです。
実際、私もずっとそう思っていました。
しかし、私が知らないだけで、誰か研究してるんじゃないか?
そう思い、ちょっと調べてみることにしました。
子どもの性別が偏る理由①:「望む性別が生まれるまで」という傾向
まず見つけたのは、一橋大学経済研究所の白川清美さん、石田和也さんによる研究です。
論文のタイトルは少し難しく、『日本における第2子までの出生順性別と第3子との関連分析』というもの。
「性別が偏る理由」を調べた研究かと思いきや、実際には「なぜ3人目を産む家庭が多いのか」という視点から分析した研究でした。
内容を簡単にまとめると、
- 第一子と第二子が同性だった家庭の方が、第三子を出産する割合が高い
- 特に「男の子→男の子」の家庭では、その割合が最も高かった
という結果でした。
つまり、男の子が二人続いたら「女の子も育ててみたい。」
女の子が二人続いたら「男の子も欲しい。」
と考える家庭が多いということですね。
これは、すごく自然なことだと思います。
ちなみにこの研究では、少子化対策のために「第三子を産んだ理由」も調査されていて、一番多かった回答は
「授かったから」
でした。
思わず、「ですよね(笑)」と言ってしまいました。
もちろん計画もあるでしょう。でも最後は、「授かったから。」
この一言に尽きる家庭も、多いのではないでしょうか。
子どもの性別が偏る理由②:偏りは「親の希望」だけでは説明できない
ここまで読んだ私は、「やっぱり性別が偏って見えるのは、親の希望が関係しているんだ」と思いました。
ところが、ここで話は終わりませんでした。
さらに調べていると、2025年に発表された海外の研究にたどり着きます。
タイトルは、『Is sex at birth a biological coin toss?(子どもの性別は運任せなのか?)』。
タイトルからして、とても興味を引かれます。「コイントス」って表現がアメリカ人っぽいというか。
研究では、約5万8千人の女性と、その子ども約14万6千人分という、とても大規模なデータを解析しています。
兄弟の人数は2人から12人まで。
ちなみに、6人以上の子どもがいる家庭は、全体の0.5%未満。
10人以上となると、わずか0.02%未満だったそうです。
やっぱり、大家族って珍しいんですね。
ちなみに、うちの状況を単純計算してみると、同じく1パーセントもない環境のようです。
この研究で面白かったのは、
「男の子が欲しくて産み続けた。」
「男女そろったから、もう終わり。」
という親の意思が結果に影響していないかを、とても慎重に検証していたことです。
例えば、最後に生まれた子どもを解析から外したり、親の出産行動による影響をできるだけ取り除いたり。
そうやって分析した結果、それでもなお、
同性ばかりのきょうだいは、偶然だけでは説明できない程度に多かった
という結果になりました。
ここが、この論文で一番興味深いところです。
つまり研究者たちは、「親が男の子・女の子を希望したから」という理由だけでは説明できず、生物学的な要因や遺伝的な要因も関係している可能性があると考えたわけです。
「重みの違うコイン」
『Is sex at birth a biological coin toss?』の結論は、
『家庭ごとに重みづけの違うコインを持っているようなもの』
というものです。
通常、コイントスをした場合、表も裏も出る確率は50%です。
もちろん、ここに「絶対」はないのですが、家庭によっていずれかに偏る傾向があるのは確かだということです。
ただ、「うちは男2人だから次も男だ!」というような話ではありませんので、誤解のないようお願いします。
我が家に当てはめると…
この研究の中で、「第一子出産時の母親の年齢が高いと、同性の兄弟になりやすい」というものがありました。
私の初産の年齢は23歳だったため、この傾向と合致しているとは言い難いのではないかと思います。
遺伝子の解析も行われていますが、「これが偏りの原因」と言える段階ではなく、「今後も研究が必要」というのが、研究者たちの結論でした。
現状では、「母親に原因がある」とも「父親が電波を浴び過ぎたから」とも言える科学的根拠はないのです。
「父親の男性ホルモン値が高すぎると子供は女の子になる」という研究論文は検索してもヒットせず、これも定説とは言えないことがわかりました。
私は、2人目を産んだ頃から「私から男の子は出てこんと思うよ。」と夫に言っていました。
ただの勘ですが、何か確信めいたものがありました。そして、その勘は最後まで当たり続けました。
理由は正確には分かってはいないものの、「重みづけの違うコイン」を持っていたんですね。
まとめ:性別が偏って見えるのは、気のせいではなかった
改めて振り返ると、大家族で性別が偏って見える理由は、大きく2つありました。
1つは、親が望む性別が生まれるまで出産を続けるという、家庭側の傾向。
もう1つは、それだけでは説明しきれない、生物学的・遺伝的な要因が関係している可能性。
私はずっと、「どうして大家族って、男の子ばかりとか女の子ばかりの家が多いんだろう?」と不思議に思っていました。
もちろん、私の周りだけなのかもしれません。
でも今回、日本の研究と海外の最新研究を読んでみて、「親の希望だけでは説明できないこともある。」ということが分かりました。
これは、私のたぶん稀有な(?)実体験と合致するもので、とても面白い発見でした。
最後に、少しだけ気になることが。
- 二人続けて同性だと三人目に挑戦しやすくなる。
- 家庭ごとに同性が続きやすい傾向がある。
もし、この二つが本当だとすると……
少子化対策としては、この研究、あまり広まらない方がいいのかもしれません。
もちろん、研究成果ひとつで大多数の行動が変化する訳でもないでしょう。が、「次も同じ性別の可能性がけっこう高い(かもしれない)」と思うだけでも、チャレンジしにくくなってしまうのではないでしょうか。
長々と書いて来ましたが、どうやら家庭ごとに生まれる子どもの性別が偏る傾向があるのは間違いなく、それが男女どちら側なのかは選べなさそうです。
でも、男の子でも女の子でも、その子に出会えたこと自体が一番の幸せなんだと思います。
我が家は女の子ばかりの大家族になりました。
それも、今では他にはない我が家らしさ。
これからも毎日にぎやかに、娘たちと笑いながら過ごしていこうと思います。
皆さんのお宅はいかがでしょうか? 男の子ばかり、女の子ばかり、あるいは男女半々でしょうか。
『うちも同性ばかりです!』『こんな家族構成です』など、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。


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