「大家族の父親って、正直しんどいだけなんじゃないの?」
そう聞かれたら、うちの夫はきっとこう答えます。
「幸せです」
……本人談ですが、本気でそう思っているようです。理由を聞いてみると、そこには単身赴任や世界25ヵ国での経験を通してたどり着いた、ある人生観がありました。今日は、そんな大家族パパの「ある1日」を覗きながら、なぜそう言い切れるのか、本人に聞いてみました。
まずはこちら。大家族パパのある1日
実はこの日は、私(妻)が出産で入院していたため、普段は夫婦で分担している家事・育児をすべて夫一人でこなした、いつもより負荷の大きい一日でした。とはいえ、これは「特別だから成立した」話ではありません。夫は仕事の都合で単身赴任になることがあり、来年にはまた単身赴任が再開する見込みです。そうなれば今度は、私がこの一日分の役割をまるごと引き受けることになります。そして単身赴任中の夫が休暇で帰ってきたときには、「その間くらいは」と、休暇中であっても私の普段の負担を肩代わりしようとして、こうした全力投球の一日を過ごすことがよくあります。つまりこの円グラフは”特別な一日”であると同時に、我が家では時々訪れる”いつもの一日”でもあるのです。

| 時間帯 | 内容 | 分類 |
|---|---|---|
| 5:30〜6:20 | お弁当・水筒(5本)準備 | 家事 |
| 6:20〜6:30 | 次女送り出し(部活の試合) | 送迎 |
| 6:30〜7:35 | 三女以下に朝食・出発準備 | 育児 |
| 7:35〜8:20 | 三女・四女の試合会場へ移動 | 送迎 |
| 8:20〜14:30 | 公園で子守り(五女以下・食事/オムツ/歯磨き) | 育児 |
| 14:30〜16:15 | 公園で子守り(三女以下) | 育児 |
| 16:15〜17:20 | 会場から移動(次女の迎え含む) | 送迎 |
| 17:20〜17:30 | 車から荷下ろし | 家事 |
| 17:30〜19:15 | 長女の送り(花火大会・隣県会場) | 送迎 |
| 19:15〜19:40 | 洗濯・片付け① | 家事 |
| 19:40〜19:50 | 次女の送り(打ち上げ) | 送迎 |
| 19:50〜20:05 | 夕食準備 | 家事 |
| 20:05〜21:35 | 食事・風呂・洗濯・片付け・歯磨き | 育児 |
| 21:35〜21:45 | 次女の迎え | 送迎 |
| 21:45〜22:20 | 洗濯・片付け② | 家事 |
| 22:20〜22:35 | 長女の迎え | 送迎 |
| 22:35〜23:30 | 長女の軽食準備・片付け・洗濯③ | 家事 |
| 23:30〜翌5:30 | 就寝(リビングの座布団で寝落ち) | 睡眠 |
こうして並べてみると分かる通り、起きている時間だけで見ると、育児が58.3%と最も多く、次いで送迎24.1%、家事17.6%。いわゆる「自分の時間」と呼べるものは、ゼロです。
これを見て、正直こう思いませんか?
「これで本当に幸せなの?」
もちろん、しんどさがまったくないわけではありません。子育ての疲れは「判断疲れ」によるものだという説があります。確かに、子どもにお願いをされたり、判断や許可を求められたり、送り迎えのために「どう動くべきか」を考えたり……大家族パパの一日は、朝から晩まで判断の連続です。まとまった時間が取れないぶん運動不足にもなりやすく、それを解消しようとすると、結局は夜中や早朝など、睡眠を削って時間を作るしかない、という日も正直あります。
それでも、うちの夫は「幸せです」と即答します。それはなぜなのか、率直に聞いてみました。
パパに聞いてみた
「自分の時間、ほとんどないよね?それでも幸せって、本当?」と聞くと、返ってきた答えは、意外なものでした。
「そういう働き方も、そういう時間の使い方も、山ほど見てきた。でも結局、大事なのは”誰と一緒にいるか”なんだよな」
パパは仕事柄、これまで6年間の単身赴任を経験し、その中には長期間の洋上生活もありました。仕事で訪れた国は、なんと25ヵ国。世界中の色々な「暮らし方」「働き方」を、身をもって見てきた人です。
その中でも、特に印象に残っている国があるそうです。
東ティモールで見た光景
「東ティモールに行ったとき、忘れられない光景があった」
そう語るパパ。東ティモールは、そう遠くない過去に内戦や虐殺を経験した国です。決して豊かとは言えない、発展途上国。
「でも、そこで出会った人たちの笑顔が、本当に素敵だったんだ。データや理論で証明できることじゃないけど、今でも忘れられない」
もちろん、お金は生きていく上で必要なものです。それは否定しません。それでも——家族と、仲の良い人たちと、一緒に笑って暮らせること。それこそが、幸福の正体なんじゃないか。パパはそう感じたと言います。
「どこで何をするか」ではなく「誰と居るか」
単身赴任、洋上生活、25ヵ国への渡航。そして東ティモールでの経験。
そうした一つひとつの積み重ねの中で、パパの中にはっきりと言葉になった人生観があります。
「人の幸福は、どこで何をするかではなく、誰と居るかで決まる」
そして今、これはパパだけでなく、私たち夫婦共通の考えになっています。
自分の時間がないことこそが、幸せの中身
この人生観に立って、もう一度あの円グラフを見てみてください。
家事、育児、送迎——確かに「自分の時間」はゼロです。でもそれは裏を返せば、24時間まるごと、家族と一緒に過ごしているということでもあります。
「自分の時間がない」のではなく、「大切な人たちと一緒にいる時間」で1日が満たされている。
判断疲れや寝不足がゼロになるわけではありません。それでも、大家族パパが「幸せです」と即答できるのは、きっとそういうことなんだと思います。大家族だから不幸、というわけでは決してないのです。
まとめ
「大家族の父親は幸せなのか?」という問いへの答えは、うちの場合はっきりしています。幸せです。
自分の時間がほとんどないスケジュールも、単身赴任や世界25ヵ国で培われた「誰と居るかが幸福を決める」という人生観も、すべて突き詰めれば同じ一点に行き着きます。大家族という環境は、忙しさと引き換えに、家族と過ごす時間そのものを日常にしてくれている——それが、うちの夫が「幸せです」と迷わず言い切れる理由です。
もし今、大家族の忙しさに「これで本当に幸せなんだろうか」と感じている方がいたら、うちの円グラフとパパの言葉が、少しでも気持ちを軽くするきっかけになれば嬉しいです。
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