持ち家vs賃貸、結局どっちがいい?10年住んで分かった「後悔しない家選び」の判断基準【大家族の実例紹介】

子育て・子ども

「そろそろ家、どうする?」

賃貸の更新書類を前に、そんな会話をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

家賃を払い続けることへのモヤモヤ、かといって数千万円のローンを組む勇気も出ない。ネットで「持ち家 メリット デメリット」と検索しても、どのサイトも同じような一般論ばかりで、結局「で、うちの場合はどうなの?」というところまでは分かりません。

我が家は、賃貸で3軒暮らした後に持ち家を建て、10年住みました。子供の人数が多い分、普通の家庭よりトラブルの発生頻度も出費の規模も大きく出た自覚があります。裏を返せば、持ち家・賃貸それぞれの「見えにくいコスト」が、より濃く表面化したとも言えます。

この記事では、その10年間の実際の数字とエピソードを、良かったことも悪かったことも隠さずに公開します。読み終える頃には、「うちの場合はどうなのか」を考えるための具体的な判断材料が手元にあるはずです。

この記事でわかること

・持ち家と賃貸、それぞれの「見えにくいコスト」の実例
・住宅ローンの金利・控除が変わったときに何が起きるか
・自分がどちらに向いているか判断するためのチェックポイント

我が家はたまたま大家族ですが、ここで紹介する「見落としがちなポイント」は、家族の人数に関係なく当てはまるはずです。むしろ人数が多い分、影響が大きく出ただけとも言えます。実例として読みながら、自分の状況に置き換えて読んでみてください。

結論:大家族の実例から見えた「家選びの本当の論点」

持ち家か賃貸かは「どちらが正解か」ではなく、「自分がどのリスクなら引き受けられるか」で決まります。

賃貸には、住み替えの自由さと引き換えに「物件・管理会社の質に住み心地が左右される」リスクがあります。持ち家には、快適さと引き換えに「金利変動・修繕費・将来の大型出費」という長期的なリスクがあります。

大家族の我が家の場合、賃貸の物件ガチャに疲れて持ち家を選びましたが、持ち家後もリスクがなくなったわけではありませんでした。このあと、その中身を具体的な数字で公開します。

賃貸で見落としがちな3つの落とし穴

最後に住んでいた借家は、家賃6万5千円の2LDK。6畳の部屋が2つと、LDKが10畳。子供の幼稚園や大きな公園が近く、子育てのしやすさで選んだ地域は、本当に気に入っていました。

それでも住んでみて、賃貸ならではの3つの落とし穴に気づきました。これは家族の人数を問わず、賃貸を検討している方全員に共通するポイントだと思います。

① 「築年数・設備」は住んでみないと分からない

浴室に換気扇がなく窓だけだったため、湿気の多い地域で毎日カビキラーをしてもカビの侵食を止められませんでした。内見の数十分では、こういった「住んでからしか分からない弱点」は見抜けません。

② 断熱性能は物件によって差が大きい

暖房をガンガンかけても床からの冷気で温まらず、窓ガラスの結露が凍って氷のようになる現象まで経験しました。同じ家賃でも、断熱性能次第で冬の体感はまったく別物になります。

③ 物件そのものより「管理会社の質」が住み心地を左右する

玄関ドアが斜めに取り付けられ隙間から光が漏れていた不具合を、管理会社の社長はヤスリでドアの角を削って対処——歪みそのものは直さず、隙間はむしろ広がりました。これは特殊な失敗談に見えますが、実は賃貸選びの本質を突いています。同じ家賃・同じ地域でも、管理会社が変われば住み心地はまったく変わるということです。

持ち家にして変わったこと|間取りと費用の実数公開

建てた家は、総額3,600万円(土地700万円込み)、延床面積45坪、太陽光発電パネル付きの4LDKです。

【間取り】
夫婦の寝室:10畳
子供部屋①:10畳
子供部屋②:6畳
応接用和室:6畳
リビング:18畳
ウォークインクローゼット・サニタリー・パントリー:各約2畳

賃貸時代の3つの落とし穴や狭さへのストレスは、こうして解消されました。

・設備の弱点 → 浴室に換気扇を設置し、カビの発生はほぼゼロに
・断熱性能 → 二重窓+床暖房で底冷えから解放
・管理会社に左右される不安 → 自分たちの判断で直せる/直さないを選べるようになった

ここは人数の多い・少ないに関係なく、「賃貸の弱点は、自分で選んで建てることでコントロールできる」という点が持ち家の本質的なメリットだと思います。

【誰にでも起きうる】住宅ローンの想定外リスク

ここからは、家族構成を問わず持ち家を検討する全員に関わる話です。

【ローン負担の推移】

時 期金 利年間ローン支払い控除・固定資産税実質年間負担
契約時(マイナス金利政策下)1.08%約120万円控除で最大30万円還付/固定資産税約20万円約105〜110万円
7年目〜(控除縮小後)1.38%(10年固定を再選択)135万円控除終了/固定資産税16万円150万円以上


契約時(マイナス金利政策下):金利1.08%/年間ローン支払い約120万円/控除で最大30万円還付・固定資産税約20万円/実質年間負担 約105〜110万円
7年目〜(控除縮小後):金利1.38%(10年固定を再選択)/年間ローン支払い135万円/控除終了・固定資産税16万円/実質年間負担 150万円以上

契約時、住宅ローン控除は「ローン残額の1%(上限30万円)」が戻ってくる仕組みでしたが、7年目にまさかの0.7%へ引き下げ。年間約7万円の負担増になりました。同時期に10年固定金利の期間も終わり、再契約の金利は1.38%まで上昇。合計で年150万円以上の負担になっています。

建築前、住宅会社の社長さんにはこう説得されました。

「景気が回復すれば金利は上がりますが、その分お給料も上がりますから」

これは家族の人数に関わらず、変動要因である金利・控除制度は、誰であっても契約後にコントロールできないという事実を示しています。確かに言われた通りに給料も同じぐらいアップしたのは事実ですが、「今の返済額」だけで判断するのはリスクがあるという教訓です。

「建てたら終わり」ではない|持ち家10年目の修繕費リアル

持ち家は建てたら終わり——そう思っていましたが、違いました。子供のいる家庭であれば人数を問わず起こりうるトラブルも含め、10年間の修繕費を一覧にしました。

【10年間の修繕費一覧】

内 容金 額
子供がぶつかりお風呂のドアを破損・交換7万円
室内ドアの自動減速機構の故障(繰り返し発生、修理を断念)1回1.5万円
敷地外「クリーンます」の清掃(月額・外注)月約1万円
排水管の詰まり2万円
玄関ドアのレール歪みによる取り外し・再取り付け数万円(複数回)
子供がトイレの手洗器を詰まらせ床が水浸しに、天井点検口の設置1.5万円
部屋を1室増やすための大規模リフォーム(1・2階)360万円

子供が多いほど、こうしたトラブルの発生頻度は上がりますが、発生すること自体は世帯規模を問わない持ち家共通のリスクです。「持ち家=ローンだけ払えばいい」というイメージは、実際に住んでみると崩れます。

これから待ち受ける大型出費|外壁塗装200万円の現実

築10年を迎え、外壁のサイディングとコーキングにも劣化のサインが出始めています。業者2社に見積もりを取ったところ、安くても200万円。しかも保証は次の10年だけ。

これは大家族かどうかに関係なく、持ち家を選んだ人全員がいずれ直面する出費です。「頭金とローンさえ準備すればいい」という発想では、この種の出費に備えられません。

結局、持ち家と賃貸どっちを選ぶべき?判断チェックリスト

ここまでの実例を踏まえて、判断の目安をまとめます。以下に当てはまる数が多いほど、賃貸より持ち家が向いていると言えます。

・住む地域や間取りへの希望がはっきりしていて、当面(10年以上)住み替える予定がない
・転勤や引っ越しの可能性が低い、または低くしたい
・金利上昇や控除縮小があっても、家計に一定の余力を確保できる見込みがある
・修繕・リフォームの都度発生する出費を「必要経費」として受け入れられる
・賃貸の設備や管理会社の質にこれまで不満を感じたことがある

逆に、以下に当てはまる方は賃貸の方が合っている可能性が高いです。

・数年単位で住む場所が変わる可能性がある(転勤・ライフスタイルの変化など)
・まとまった修繕費より、資産形成や貯蓄を優先したい
・金利変動などの長期的な不確定要素をできるだけ避けたい

まとめ

「そろそろ家、どうする?」——冒頭のその問いに、私なりの答えを出すとすれば、こうなります。

持ち家か賃貸かを分けるのは、収入でも家族の人数でもなく、「どのリスクなら、自分たちらしく引き受けられるか」という感覚だと思います。

賃貸には「管理会社ガチャ」のリスクが、持ち家には「金利・控除・修繕費」という長期的なリスクがあります。どちらもゼロにはできません。我が家は結果的に持ち家を選び、カビにも底冷えにも悩まされなくなった一方で、金利の上昇や度重なる修繕費と、これからも付き合い続けることになります。それでも、子供たちがロフトを走り回り、広いリビングで思い切り遊ぶ姿を見るたびに、「この選択で良かった」と感じています。

大事なのは、目の前の家賃やローン返済額だけで判断せず、10年後・20年後まで続く「見えにくいコスト」まで含めて考えることです。

もし今、賃貸の更新書類を前に立ち止まっているなら。数字と実例のどちらも出揃った今、あとは「自分たちがどのリスクを引き受けられるか」を、パートナーと話し合ってみてください。その答えが、10年後に「良かった」と思える選択につながるはずです。

田舎の広さならではのひととき

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